第10章 つまりはそう、キミのせい ~赤司~
忌まわしき帝光中学時代。私は元々2、3軍のマネージャーリーダーだった。3年になったばかりの時に同級生の虹村が赤司に主将の座を譲り、それにともないキセキの世代の彼らを中心とした試合が行われる事が発表された。
その決定に反発して多数の部員やマネージャーが退部。
1~3軍に人数の偏りが出た事から、私が1軍に配置されたのである。
1軍にはハイスペックな桃井さんが居たから、正直何故私がと不思議だったけれど、3軍の時ずっと頑張っていた黒子や幼馴染みでもある緑間もいたので、まぁ良いかとその決定に従ったのだ、が。
「あぁ、キミが1軍担当になったのか。はぁ……まぁせいぜい足を引っ張ってくれるなよ」
最初の挨拶で赤司はこちらを一瞥して腹立たしい言葉を投げて寄越した。限られた選手しか取れないと言う黒子のイグナイトパスか。取れるワケないでしょうが。
元々報告と言えば虹村に通していたから赤司と喋る事なんて無いに等しかったし、赤司の周りにいる女子力がカンストしているような子達と比べたら(いや比べなくてもだけどチクショー)、The パッとしない私であるけどもさぁ、仮にも先輩にいきなりのこの暴言よ。
尊敬にも値しないってかコノヤロー。腹が立ったのでそれ以降引退まで報告が必要な事は可能な限り虹村か桃井ちゃんを経由して、必要最低限の関わりで済ませたのだった。
それでも赤司が私を嫌っているというのを聞き付けた赤司信者からねちねち嫌がらせされたりしたものだ。
彼女達が口を揃えて言っていた"な~んでそんなに嫌われてるんでしょぉねぇ?"という言葉については、こっちが聞きたい位だった。
アイツの実力も能力も評価しているだけに、毛嫌いされているのは正直残念な気持ちだってあった。
何はともあれ、全中3連覇を達成したのも純粋に凄いと思ったがもう関係無いわと思ってた過去の私出てこい。
そうだよ洛山ってバスケの強豪中の強豪だわ。開闢の帝王とか言われてるわ。そして赤司だったらバスケ推薦受けてもおかしくないし、むしろ普通に受けても受かるわ。
両親の離婚という理由で母方の祖母の家がある京都に越した私。近いという理由だけでここを選んだ事をこれほど後悔する日が来るなんて…!!