第10章 つまりはそう、キミのせい ~赤司~
見た目でよくどんくさそうとかオドオドしてそうと思われがちな私だが、実際はそうでもない。現にいつもなら、ふざけた罰ゲーム仕掛けてきた告白野郎に殴り込み(物理)かける位の事はしていただろう。
だけど今日はさすがにそんな気分にはなれなかった。
もうそのまま放っておこう。吹っ切る意味でも良いかも知れない。クラス違うし接点もないし早い段階で言ってくれた訳だから傷も浅い、はい消去消去。
という事で無理やり自己完結させる事にした。
なんにせよ、きっと今日はおは朝で最下位だったに違いない。1年で最も悪い運勢とかさ。
…髪の毛と一緒に運まで切り落としてしまったんだろうか。うん、笑えない。
そう言えば東京にいるおは朝厨の幼馴染みからメールが来てたな。まぁ開封する前に彼氏(?)だった人の電話に出てしまった訳だが。
口は悪いが案外世話焼きなあの幼馴染みの事だ、もしかしたらおは朝のラッキーアイテムでも知らせようとしてくれていたのかも。
……午後速攻で携帯ショップ行かなきゃ。返信がないと心配するだろうから。
あーあと眼鏡もか。あぁ、お小遣いが……!!
結局はウジウジ考えながら学校へ向かい、深呼吸を1つ。気持ちを切り替えて体育館のドアを開ける。
うちのバスケ部は強豪中の強豪であり、当然練習もハードだ。春休みだからといってそれは変わらない。昨日今日のように練習が午前だけというのは珍しいのである。
それもそのはず、昨日今日は新入生の入寮日なのである。午後は体育館に新入生用の教科書などが並べられる為使用出来ないのだ。
むし短時間とはいえバスケ部の練習する枠が確保されているのが、強豪たる我が校ゆえなのだろう。
今日は、昨日のうちに入寮を済ませたバスケ推薦の子が部活に参加すると聞いていたので早く家を出たのだ。
『おはよーございまーす……って…げ…』
体育館に入った時、まず見えたのは目に痛い赤。