第1章 甘い毒にはご用心 ~黒子テツヤ~
そんな表情の違いについて説明ながら黒子を見ると、珍しく目を見開いてビックリしたような表情をしている。
思わず首をかしげると、ハッとしたように普段通りのポーカーフェイスに戻った。
そしてまたシェイクを啜る。
そのまま何となく言葉を発するのを待っていると、少し思案したかと思うと意を決したかのように目に力が灯り、物凄い爆弾を投げ付けて来た。
「・・・さんは何でボクの表情をそこまで読めちゃうんですか?・・・もしかしてそれこそ、愛の力ってヤツですか?」
『っぶふっ、ゴフッ』
危ない、シェイク飲んでたら吹く所だった。
片想いの相手をバニラシェイクまみれにするとか痛すぎる、ポテトで良かった。
「あ、スミマセン」
そう言いながらも黒子の目元は僅かに笑いを湛えている。
瞳の中にもイタズラっ子のようなキラキラした光が見え隠れしている。
『わざとだろ!!目が笑ってるんだよ!!』
「ふふ、やっぱりですね、それで質問の答えは貰えるんですか?」
そこまで言われて、自分の言動を振り替える。