第1章 甘い毒にはご用心 ~黒子テツヤ~
「誰が大好きな火神くんですか、気持ち悪いです」
案の定そう言って顔をしかめる黒子。
『ふふ、でも黒子って仲良い相手には愛ある毒舌を発揮するよね』
昔決別して再び心を通じさせたかつてのチームメイトしかり、現在の相棒しかり。
黒子が思った事をズバズバ言ってのけるのは今に限った事では無いし相手が誰であって揺るがない。
しかし気を許した人物が相手だと、ほんの少し目元が優しいし、内容によっては口許が楽しそうだったりするのである。
まるで相手の反応を楽しむかのようなその様子を見れば、単に相手をこき下ろしているだけではないのが良くわかる。
伊達に3年以上彼を見ていない。
未だによく影が薄い彼を見失うけど。
今だって、火神くんに毒を吐く黒子の目元や口元はどこか優しい色合いをしている。