第1章 甘い毒にはご用心 ~黒子テツヤ~
「ボクが毒舌・・・ですか?」
やれ相棒になって大分経つのに未だにボクに驚くんですよあのバカ虎は、だの、2号にまた粗相されてしまえば良いんですよあのバ火神くんは、等々。
黒子にここまで言われるって、火神くんは一体何をしたんだろうと思わないでも無いが。
黒子とそして私のクラスメイトである火神大我という人物は、図体がデカく特徴的な眉の帰国子女。
バスケのプレーのように豪快剛胆かと思えばまさかの犬嫌い。
バスケの時の野性味溢れる姿とのギャップがたまらない、と目下人気急上昇中だ。
ちなみに2号とはバスケ部で飼っている犬。
前に見せてもらったが本当に黒子そっくりだった。
以来かなり頻繁に、こっそりモフモフしに行っているのは私の最高機密だ。
『うん、大好きな火神くんだからかい?一際冴え渡ってますなあ』
おちょくるようにニヨニヨしながらそう言ってみる。
せっかく再会出来たのだからと中学時代の天の邪鬼を返上し、積極的に(当社比)話しかけるようにした結果、黒子とはこうした軽口を叩けるまでになっていた。
頑張ったよ私・・・!!