第18章 ラブコール量産法 ~花宮真~
洛山での生活も2年目だが非常に快適である。
ちょっとオネェだったり騒がしかったり肉、肉と煩かったりするが気の良い同級生は居るし。
いきなり生徒会長に就任した絶賛厨二病発症中なオッドアイの後輩に絡まれる事はあるが、真に比べれば微笑ましいものであるし。
そう、真が居ないだけでこんなにも平和なんだよ!
第一、真がその辺に携帯を置き去りにするか、という話だ。答えは勿論NO。
となると100%わざとこの電話のカノジョの目につく所に置いたに違いない。
本人に聞かずに勝手に見ている時点でこの女性の片思いなのだろう。
散々想い人についての思いを撒き散らし、挙げ句あの猫被りの表情(しかもちょっと寂しげ)で、"でも、ずっとオレの片思いなんだよ…"とか言ったに違いない。
花宮君可哀想…!!→私が一言言ってあげる!!→あわよくば花宮君には振られて貰って私が彼女の座に…!!的な図がくっきり見える。
ここでいくら私が口を閉ざしたとしても、"幼馴染みから連絡あったんだけど…、オレの携帯勝手に見たの…?"とか言って相手の罪悪感を煽るだけ煽って身を引かせるに違いない。あるいは体のいいパシリゲット。
正直どっちもどっちだからお似合いだよもう付き合っちゃえよ、と常々進言しているのだが、眉だけは平安貴族なアイツが聞き入れた試しは無い。
なら早く私と同姓同名だと言う子に告白でもしてほしいのだが、ゲスがバレるのを恐れてなのかあの真がずっと思いを秘めている。
あれだけ公言してたら相手にだって伝わりそうなものだけど、まぁ真だからその辺も上手くやってんだろう。
私も会った事は無いがその子の事がよっぽど好きなのだろうと言う事は伝わって来る。
携帯にだって、彼女に迷惑がかからないようにと名前を変えて登録してあるそうだから畏れ入る。
その分私にこうやってご迷惑が掛かるわけですけどね!!