第2章 キミはヒーロー ~木吉鉄平~
それを見た彼女の『あ、もうこんな時間かあ。お昼親子丼作ったら食べる?』という問いかけにより、まあ後でもいいか、と追及を一旦意識の隅に追いやった。
「お、良いなあ。の作るメシは旨いからなあ」
祖父母は今日も近所のデイサービスへ仲良く出掛けている。昼食もそこで出るのでまた夕方までそこで過ごすつもりなのだろう。
小さい頃からここに入り浸るは、慣れた手つきで冷蔵庫から食材をだし手際よく調理を進める。
着火に少しコツのいる我が家のコンロの扱いも完璧だ。
「っと、何か手伝うことあるか?」
『ん?そーだなー、じゃあサラダのレタス、ちぎって貰える?』
言われた通りレタスをちぎる。だが俺の手は大きい為、こういう時の細かい作業は苦手だ。
案の定、食べやすいとは言いがたい大きさのちぎりレタスの山が出来上がってしまった。