第16章 さぁ、幸せな結末を ~洛山+誠凛~
するとこちらに気がついた彼女が、満面の笑みでこう言った。
『ありがと黒子!!おめでとう!!…ってアダッ。酷いですよ先輩方!!』
「こら、アンタはウチの子でしょっ!」
「そーだよ俺らの労いが先じゃんか!!」
「お前の料理で反省会、で許してやるよ。あ、俺のは肉タップリな」
「おい、それよりそろそろ整列しないとマズいだろ」
途端に無冠の3人と黛さんから同時にチョップされる彼女。
かと思えば"勿論先輩達の戦いっぷり見れたのも幸せなんですよ?"とさらりと返し、相手を固まらせていた。
あの無意識かつ威力絶大な発言に固まらずに対応するのは至難の技ですからね…。
赤司くんはさんから渋々離れ、黛さんの肩に手を置きつつ自分で左目のアイシングをしている。
…最初からそうすれば良いんですよ。
つい先ほどまで本気でぶつかり合った相手の、悔しそうだけどどこかスッキリした笑顔を見て僕は漸く実感した。
ああ、帝光時代に出来なかった事を成し遂げたんだ、と。
そしてそれを支えてくれたのはやっぱり彼女だ、と。
「さん、ありがとうございます」
『ふふ、でも来年はウチが勝つからね?』
拳を突き出してそう言えば、キョトンとした後にっと笑って同じように拳を出してくれた。
「させないよテツヤ。整列するからは一旦コートから出てくれるかい?続きは後でゆっくり、ね?」
もう少しで拳が触れると言うところで、あろうことか赤司くんが僕とさんの間に割り込み、両方と拳を合わせた。