第16章 さぁ、幸せな結末を ~洛山+誠凛~
互いにハイタッチしたり拳を合わせたりで労いつつも、皆の目線は赤司くんとさんに向いている。
「末長く爆発しろリア充め」
試合が終わったのにも関わらずクラッチタイムな日向主将が吐き捨てた。
「アイツらあれで付き合ってないんだぜ、ですよキャプテン」
なん…だと!?とおののく日向主将。あの2人は今のところ只の主将とマネージャーですよ。僕的にはこれからもそうあって貰う予定ですけど。
「ウチが勝ったのに、何か良いところ全部持っていかれちまったな!!」
「それですよ木吉先輩」
「アイシングで愛sing…キタコレ!!」
「来て無いです伊月先輩」
「………」
「何か幸せそうだなって水戸部が。しっかし、赤司もあんな顔するんだなー」
「試合の時とは別人みたいだな」
「小金井先輩に土田先輩、あれはさんの前でだけです」
京都に進学したと言うのに、誠凛メンバー数人とも面識があると聞いたときは驚きだった。
「つーかアイツら、密着しすぎだろ!」
「火神くん、羨ましいって言う気持ちが駄々漏れです」
う、うるせぇっ、と返す火神くん。否定はしないんですね…。
「俺睨まれてメッチャ怖かったんだけど!?」
「ああ、それは多分降旗君がさんと話してたのが腹立ったんでしょう、醜い嫉妬ですよ。まぁ僕もイラッと来ましたけど」
「「怖ぇよ黒子ォォ!!?」」
「河原くんに福田くん、僕だけじゃ無いんですよ?」
彼女はとても人に好かれる。彼女の持つ雰囲気に皆惹かれるのだろう。かくいう僕もその一人だ。
先日WC開幕前にキセキのメンバーが集合した際に、場違いだと震える降旗君の緊張をほぐそうとさんが声をかけた時の、皆の降旗君への視線と言ったら。
青峰くんなんて普段にも増して目で人が殺せそうでした。赤司くんは……言わずもがな、でしたけどね。
「キセキの世代コンプリートな噂は本当なのね…」
「カントク、正しくはキセキの世代+α、です」
次々に発せられる誠凛の皆さんの言葉に返事をしながらさんをじっと見つめる。