第15章 眠るチカラ
ユナの蹴りは男の後頭部にヒットし、男は気絶する。
「ユナ!」
その隙に、リリィは男から離れる。
「この女~!」
もう1人の盗賊はユナ目掛けて拳を振り上げる。
それをかわし、相手の力の反動を利用して攻撃をしてみる。
「ぐっ!?なんだ、こいつ~!」
次の動きもかわそうとしていると、
「動くな!お友達が痛い目にあうよ?」
もう1人が、リリィを拘束してナイフを突きつけている。
『リリィ!』
「・・・ひっ!やぁ・・・助けて・・・」
リリィは涙を浮かべて固まっている。
ユナは動けずにいると、先程の男に後ろから押し倒されて殴られる。
『・・・っ!・・・うっ!・・・っけほ、・・・・はぁ、』
「ほらほら、さっきの動きはどうしたよ?」
「ユナ~っ!」
リリィを拘束していた男は、リリィの服を剥ぎ取り始め、
「さぁ、俺達はもっと楽しいことをしようぜ?こういうのは初めてか?」
とリリィの体に襲いかかる。
「や・・・やめて!はなして!・・・・んぅ~!」
『やめて!彼女をはなして!!お願い!お願い!』
ユナは、地面に押さえつけられながら叫び、目の前で凌辱されていく友人を見ているしかなかった。
「じゃあよ、こっちも始めるか?」
そう言って、ユナを押さえていた男が耳元で囁いた。
『?!』
ぞわっと身の毛がよだつ。
すかさず、ユナの服を引き裂き、細い肩があらわになる。
「さっきは殴ったけどよ、ちゃんと可愛がってやるからな。」
男はユナの肩や背中に舌を這わせて、手を服の中に入れて肌に触れる。
『やっやめて!・・・やだ、はなして!』
「嫌がる声がたまんないんだよなぁ~」
(どうしよう!・・どうしたらいいの?!このままじゃ・・・)
そうユナが思っていると、
「ぐあぁぁぁ~!この女!」
リリィが襲ってきた男のナイフを握って、男の腹部を刺したのだ。
「あ・・・ぁ、・・・」
リリィは放心状態だ。
『リリィ!』
ユナを押さえつけていた男が立ち上がり、リリィにナイフを振りかざす。
「調子に乗りやがって~!」
ユナも男の後を追い、リリィに駆け寄る。
次の瞬間、リリィはナイフで胸元から切り裂かれた。