第13章 罪
地下街
ユナが地上へ行ってから、リヴァイとファーランは2人での生活となった。
どこか虚無感がありつつも、ここで生きていくためにすることは変わらない。
今日も手を血で染める。
悪い仕事も良い仕事もない。
ただ、この地下で生きていくための手段だ。
リヴァイは出来る限り、ユナには汚い仕事はさせなかった。
願わくは、ユナだけでもキレイなままでいてほしかった。
リヴァイはユナがいない生活になると、以前に増して無表情になり、感情が感じられなくなった。
常に機嫌が悪く、笑うことなど、ほぼなくなった。
先日、とあるルートで兵士の立体機動装置を入手した。
それはリヴァイ達の仕事を格段にはかどりやすくした。
そして、ユナがいなくなって1年が過ぎて少しした頃。
商人のノーマンが、血相を変えてリヴァイ達のアジトにやって来た。
「どうしたんだよ、ノーマンさん。」
ファーランは息を切らしたノーマンの背中をさする。
リヴァイは黙ってノーマンを見ている。
「はぁっ、はぁ・・・。クライスが、タイラー家が取り潰された。」
「・・・・・・!?」
「クライス・タイラーって、ユナが養女に行った家の・・・?」
ファーランは思わずノーマンに飛びつく。
「どういうことだ!?」
リヴァイが、椅子から立ち上がり、声を荒げる。
ノーマンは更に続けた。
「クライスが養女にしたユナちゃんが、実は憲兵が指名手配していた男の逃走していた娘だということがわかって、犯罪を擁護したとして家名を剥奪された。そして、ユナちゃんは貴族の嫡子に暴行をはたらいて殺しかけた罪で連行された。それと、これは未確定だが、牢屋の中で・・・ユナちゃんは、病死したと。」
「・・・え?」
ファーランは、言葉が出なかった。
「・・・・・・」
リヴァイは目を見開いてかたまる。
「な、なんだよ。それ・・・。冗談言ってる場合じゃないだろ。」
尚も信じられず、体を震わせるファーラン。
「・・・・・・。」
絶望的な表情をして、リヴァイは静かに自分の部屋に戻った。