第12章 願う幸せ
ユナ side
『やっ・・・!』
私は顔を背ける。
「いへへへ・・・、いいツラしてんなぁ、それに、いいにおいだ・・・」
(気持ち悪い・・・!)
背筋がゾワッとすると同時に、生理的に嫌悪の涙が出る。
その時、
「そいつに触れるな、クソが・・・。」
ザンッ
「うがぁぁぁぁ!!!」
男は叫び声を上げて騒ぎ出す。
私は高さのある所から腕を放され、地面に落ちていく。
『きゃっ!』
地面に叩きつけられるのを覚悟して、目をつぶる。
ふわっ
誰かが私を抱きとめてくれた。
その人が誰かなんて顔を見なくてもわかる。
『・・・リヴァイ。』
私はゆっくり顔を上げる。
リヴァイと私は、久しぶりに近くで顔を合わせた。
「・・・あぁ。」
そう言うリヴァイは私を見て、ほっとしたような表情で穏やかだった。
「大丈夫か?どこか怪我はないか?」
私を支え起こして聞いてくる。
『うん、大丈夫・・・っつ!』
立ち上がった私は、右肩の痛みに顔を歪ませる。
「痛めたのか。」
『・・・そうみたい。・・・ダメだね、こんなんじゃ。みんなの足手まといだし、ここにはいられないね。』
言葉が勝手に口から出てくる。
(なんか・・・泣きそう)
私は俯いて涙を見られないようにする。
「・・・行くぞ。」
リヴァイは、私を抱きかかえて歩き出す。
『!?えっ、』
いきなりのことに、びっくりした私はリヴァイの顔を見る。
「手当てする。」
そう言って、あとは何も話さなかった。
家に着いて、抱きかかえられていた私は下ろしてもらえるものと思っていたが、そのままリヴァイの部屋へ。
(あれ?・・・え?なんで、ここ?)
リヴァイは私をベッドに座らせると、私の右肩を動かそうとする。
『あ、痛っ!』
「・・・チッ、筋を痛めてる。あのクソ野郎。」
と言って、薬と布を用意すると、私の上着に手をかける。
『あ、あの、リヴァイ!自分でするよ。』
肩を出すから、上は下着以外は脱がなくちゃならない。
「・・・黙ってろ。」
冷たいが、言い方は優しい。
リヴァイは肩の動きを考え、私が痛くないように器用に服を脱がせる。
(うぅ、・・・恥ずかしい・・・)
私は、自分の顔が赤くなっていくのを感じる。