第11章 離れる心
リヴァイside
ファーランの話では、ユナを養女にしたいという奴がいるという。
地上の商人の知り合い・・・本当かどうかはわからねぇが、もし本当なら、ユナはこの薄暗い地下街から出られる。
自由な地上の空の下で生活できる。
そして更には、地上に出れば、もっとちゃんとした設備のある病院でここよりも良い医療を受けられるだろう。
ユナの病を心配していた俺は、そう考え始めていた。
しかし、それはユナとの別れを意味する。
当然だが、養女の話はユナが対象で、自分達には地上での居住権なんてない。
つい先程、ユナと体を重ねて結んだ想いを、俺は複雑な気持ちでもて余していた。
(確かにユナには、ずっと俺の傍にいてほしい・・・しかし、このまま地下街にいたらユナはこの先も病に苦しみ続ける)
ベッドに腰掛け、窓の外を眺めながら俺は何度も同じことを考えていた。
結局、考えがまとまらないまま、気付けば朝がきていた。