第10章 動き出す歯車
リヴァイは焦ったように、ファーランを軽く睨む。
『?』
「お前は・・・、早くその情報とやらを仕入れて来い!」
「へいへい。」
リヴァイは少し顔を赤くして、ファーランに声を荒げる。
一方のファーランは、半笑いで出掛けて行った。
『リヴァイ、どうしたの?』
私は、リヴァイがファーランに怒ったように声を荒げた理由がわからなかった。
「・・・どうもしない。」
するとリヴァイは、私をじっと見る。
「・・・ユナ。お前に言うかどうか迷ったが、今回の件、お前の親父をやった連中がお前を探してる線が濃いかもしれねぇ。」
『・・・!』
(父さんを、、、)
私は、ケニーからここへ連れて来られた時に、告げられたことを思い出した。
「少なくとも、俺はそう思っている。だが、お前を無傷でってところが引っ掛かる。」
確かに、私を父さんと同じように手にかけようとするなら、傷つけるなとは指示は出さないはず。
「俺がいる。お前は心配するな。」
椅子に座って俯く私の手を、リヴァイはそっと握る。
『・・・そうだね。ありがとう、リヴァイ。』
私はリヴァイを見上げて微笑む。
「!・・・っ。お前は、こういうことだけ心配してろ。」
一瞬、顔を赤らめて、リヴァイは私の唇を塞いだ。
『ん・・・っ!・・ふっ・・・・んぅ・・・。』
リヴァイが私の後頭部に手を回して、私の顔を固定しているから逃げられない。
次第に深くなっていく口づけが、何度も何度も容赦なく私を襲う。
吐息が漏れる中、私はリヴァイの服をつかんだまま、思考が働かず、必死に口づけを受けとめる。
(もう、ダメ・・・)
体が痺れたように、脱力してしまう。
「っユナ・・・はぁ・・・。」
ようやく唇を離したリヴァイは、私を見て小さく呟いた。
「・・・・・抱き潰さない自信はねぇな・・・」
『・・・はぁ・・・はぁ、・・?』
私はさっきまでの口づけの余韻もあり、肩で息をしてぼんやりしていたため、聞き取れなかった。
すると、リヴァイは私の前にかがんで、尚も私に触れてくる。
私の頬に手をあてると耳に顔を寄せる。
リヴァイの息がかかり、ビクンと脱力した体にまた力が入る。
『リ、リヴァイ・・・やっ・・・』
そのまま、リヴァイは耳から首筋、胸元へと唇を這わせる。