第10章 動き出す歯車
私はリヴァイに抱き上げられて、部屋へ連れて行かれた。
私の部屋だ。
ふわっと、ベッドにおろされる。
(え・・・っと・・・私、リヴァイとキス、しちゃった)
つい先程のことを思い出して恥ずかしくなり、リヴァイの顔が見れない。
「そんな顔、他のやつには見せるな。」
私の顔を覗きこんで、リヴァイが言う。
『え、そんな顔って・・・?私、顔へん?髪型、似合ってない?』
私は泣きそうになりながら、リヴァイから顔を隠す。
「はぁ・・・んなこと、言ってねぇだろ。」
リヴァイは私の手首をつかんで、そのままベッドに私を押し倒した。
「・・・変じゃねぇし、似合ってる。」
私に覆い被さるように顔を近づけて言う。
『あ、あの・・・リヴァイ?』
「なんだ?」
『えっと・・・ど、どうして、私にキス、したの?』
私が言った直後、リヴァイは目を見開いて、
「あ?何言ってやがる・・・。」
『だ、だって』
「はぁ、まったく・・・仲良し兄妹が長すぎたせいだな。」
と言い、私を抱き寄せてこう言った。
「お前が好きだからだ。妹じゃなく、1人の女として・・・」
『・・・・・・。』
「お前はどうだ?」
(びっくりした・・・けど、わかった。私がリヴァイにドキドキするのは・・・)
『・・・私も、リヴァイが好き。お兄ちゃんじゃなくて、男の人として・・・んっ・・・!』
私が言い終える前に、リヴァイが私の唇を塞ぐ。
(なんだか嬉しくて涙が出ちゃう・・・)
私の涙を、リヴァイはそっと指で拭ってくれた。
口づけを受けとめ続けて、息が上がった私を、リヴァイはやっと解放してくれた。
私は体の力が抜けてしまって、ベッドに仰向けになっていた。
「そんなんじゃ、この先大変だな。」
リヴァイは私の隣に座って笑っている。
『・・・何それ、いじわる。』
「もうこれ以上はしねぇよ、今日はな。」
『・・・もうっ!』
「ただ、お前が変な男たちに狙われてるのが気に入らねえ。」
急に真顔になるリヴァイ。
「お前のことは、俺が守る・・・お前は俺の傍にいろ。ガキの頃からそうだったように、これからもな。」
私は、体を起こしてリヴァイの隣に座った。
『ありがとう・・・私もリヴァイを守るよ。ずっとずっと、傍にいる。』
私たちは、手の指を絡め、どちらからともなく唇を重ねた。