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大切な物をタイセツに【進撃の巨人】

第10章 動き出す歯車


「そんなに逃げるな。取って食うなんてしねぇよ。・・・今はな。」

離れた私を見て、リヴァイが言う。

『・・・今はって何?』

まだ赤い顔を両手で押さえている私。

(びっくりした・・・なんか頭が真っ白だよ)

胸がドキドキして、私はリヴァイの顔をまともに見ることができなかった。

(な、何、この感覚・・・緊張するような、嬉しいような、恥ずかしいような・・・)

そんな私を、リヴァイは楽しそうに眺めているのだった。



帰って来たファーランは

「?どうした?」

と、私の挙動不審に首をひねっていた。










そして、先日のことがあってから、私は外出を控えていた。

外に出なければ見つからないし、私がいなければ、彼らは何もできない。

(しばらくは、家のことだけしてよう)

掃除や洗濯、炊事にいそしむ毎日は、正直言うと少し窮屈だった。

でも、また迷惑をかけてしまうかもしれないと思うと、我慢する方がましだった。

気分転換に、伸びてきた前髪を切っていたら、

『・・・後ろも切ろうかな。』

なんとなく思って、私は肘のあたりまで伸びていた髪を肩までバッサリと切り落とした。

今までとは印象が変わる。

『うん、イメチェン完了?』

鏡を見て横の髪をそろえる。

自分1人だと襟足が切りづらい・・・と、悪戦苦闘していると、

「ユナ?どこにいる。」

リヴァイの声が聞こえる。

『・・・!』

あれから私は、リヴァイと話す時、少しだけ緊張するようになってしまった。

どうしてもドキドキしてしまう自分がいる。

そんなことを考えていると、リヴァイが私を見つけてやって来る。

「ここにいたか。何して・・・。」

髪を肩まで切った私を見て、固まるリヴァイ。

『あ・・・、どう?変かな?イメチェン。これならあいつら、私だってわからないかもしれないし、気分転換にもなるし♪』

と、回って見せた。

「・・・悪くねぇ。」

リヴァイはまじまじと私を見て言う。

(な、なんか見すぎじゃない?)

見られすぎて恥ずかしくなってきた私は、真っ赤な顔をして鏡に映っていた。

ふと、リヴァイが私の背後に立つ。

鏡には、私とリヴァイがいる。

『え・・・、何?』

ドキドキして、離れようとする私。

でもリヴァイは後ろから私の両肩をつかまえた。

(???)





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