第7章 絆
リヴァイはケニーの言ったことを考えていた。
「妹・・・。」
(いや、あいつは俺には関係ない)
と、ユナのことを思い浮かべては、むず痒い感覚に気持ち悪さと心地よさに戸惑いを隠せなかった。
コンコン
(・・・ケニーか)
ガチャ…
「なんだよ、人がせっかくノックしてやってんだから返事くらいしろ。それとも、思春期野郎の妄想中に黙って部屋に入っても構わねぇのか?」
入って来るなり、笑ってケニーは言った。
「チッ・・・うるせぇ。なんの用だ。」
用がなければ、ケニーはリヴァイの部屋にまで来ないことを知っていたからだ。
ケニーはリヴァイにユナの生まれ持った病のことを話した。
「・・・それで?俺にその話をしてどうするつもりだ。」
リヴァイはケニーに問う。
「いや、ただな。同居人のお前に知っといてもらってもいいかと思ってな。」
ケニーはそれだけ言うと部屋を出て行った。
ここに来てから、最初は色々あったが、徐々に生活にも慣れて炊事もすすんでやってくれるユナは、働き者だった。
あまり不満を口にしない。
いつも明るく元気で、無口なリヴァイに笑って話し掛けてくる。
(あいつの作る飯はうまい)
掃除も、潔癖症できれい好きなリヴァイも文句がない程に丁寧だった。
リヴァイはため息をついて呟いた。
「・・・俺に何かできるのか?」