第7章 絆
リヴァイもファーランも、私より年上で[お兄ちゃん]みたいな存在で、近所の子供達は生意気な子やおとなしい子まで色々いるけど、たくさん兄弟が出来たようで私は本当に楽しく生活していた。
時々、リヴァイに剣術も習った。
これも初めは「そんなものは必要ない」とばかりで、頑なに教えてくれないリヴァイにしびれを切らして、私はもう1人の兄貴分のファーランに指導を頼んだ。
ファーランから、まずナイフの扱いを教わろうとしていると、リヴァイの声が聞こえた。
「おい、お前ら何してやがる。ファーラン、こいつにそんなもん持たせるんじゃねぇ。ユナも、必要のないことだと言っただろう。俺の言うことが聞けねぇのか。」
と冷たい目で睨んできた。
「リヴァイ、勝手に悪かったよ。だけど、そんなふうに言うなよ。ユナだって俺らの役に立ちたいって思ってるのはお前もわかってるだろ?」
ファーランは私をかばうように言ってくれた。
『リヴァイに言っても教えてくれないから、だからファーランに頼んだの。ファーランは悪くないよ。でも、私ももっと出来ることを増やしていきたいの。自分のためだよ。』
私はしっかりとリヴァイの目を見て、自分の意志を強く訴えた。
「・・・わかった。明日から俺が教えてやる。ケニー仕込みだがな。」
そう言って、リヴァイは身を翻して行ってしまった。
『やったぁ!リヴァイ教えてくれるって!ありがとうファーラン。・・・ごめんね、嫌な思いさせて。』
私は喜びつつも、リヴァイのお叱りの巻き添えにしてしまったファーランに、お礼と謝罪の言葉を口にした。
するとファーランは、俯いて身体をふるふる震わせていた。
『?ファーラン?』
どうしたのかとファーランの顔をのぞきこむと、
「はっはっはっ!・・・はははははっ!」
目尻に涙を浮かべて笑い出した。
「リヴァイ・・・どんだけユナに過保護なんだよ・・くくくっ・・・」
(・・・本当に大事なんだな)
ファーランは不器用なリヴァイが微笑ましく思えて仕方がなかった。
それを聞いたユナは首をコテンと傾げて
『え?過保護?』
と、わかっていなかった。