第7章 絆
私がこの地下街でリヴァイと暮らし始めて、もう5年になる。
15歳になる私は、近くの小さな子供たちの面倒をみたり、小さなケンカを止めたり、ケニーやリヴァイの指導のおかげで体術も心得たこともあり、身軽に動けるようになっていた。
リヴァイは・・・そう言えば、何歳なのか?
前に聞いたら「あ?歳だと?少なくとも、お前よりは上だ。」としか教えてもらえなかった。
リヴァイは腕っぷしも強く、見た目は独特だし、口も悪いから粗暴に見えるけど、実は内心優しい。
弱いものが困っていたり、助けを求められると結局放っておけない性分なようだ。
そのためか、今では近くの若者達が彼の元に慕って来ている。
リヴァイの腕を知って、属に言う[裏の仕事]を依頼してくる闇商人などもいる。
彼は仕事を引き受けて、その内容によって若者達に仕事を回して報酬を払う、いわゆる仕事の仲介業のようなことをするようになっていた。
私も時々、簡単な仕事の補佐をさせてもらっている。
『リヴァイ、頼まれた用事済ませて来たよ。』
私は家のドアを開けてすぐのダイニングで、仕事の話をしていたリヴァイに声をかける。
「よう、ユナ!」
リヴァイの仕事の相棒、ファーランが私の前に立ち、私の頭を撫でる。
『ファーラン、髪がぐちゃぐちゃになるからやめてよぉ。』
私は頭に乗せられたファーランの手をどける。
「なんだ、ユナも年頃か。」
ニカッと笑って私を見下ろしている。
ファーランはとても面倒見が良く、リヴァイと一緒にこの周辺の若者達をまとめている。
主にリヴァイが仕事を受けて、ファーランが情報処理をしているようだ。
初めは、私も何か手伝いたいと言ったけど、リヴァイは「この仕事はお前にはさせない。」それの一点張りだった。
それで大喧嘩をして、しばらく口もきかなかった。
私が自分で役立たずなんだと落ち込んでいると、
「たまになら、簡単な仕事の補佐くらいさせてやってもいい。ただし、必ず俺もいる時だ。わかったな。」
と、リヴァイからの異例の?許可もあり、たまに活動させてもらっている。