第6章 守る術
あの後、ケニーにボロボロになるまでやられたリヴァイは、体のあちこちに傷をつくり、私はリヴァイの肩の擦り傷に消毒をしてあげていた。
「いってぇな・・・」
消毒がしみて、顔を歪めるリヴァイ。
『あっ、ごめん。』
私は思わず手を引っ込める。
「・・・構わねぇよ。やれよ。」
リヴァイは仕方ないと言うようにおとなしくなる。
処置を終えると、私はリヴァイに向き直った。
『リヴァイ、ケニーの言うとおり、私は自分の身は自分で守れるようになりたい。何も出来ないのは嫌。だから頑張りたい!私に協力してほしいの。お願い!』
(体中、傷だらけの姿じゃあまり説得力ないかもしれないけど)
「・・・・・・」
黙って何かを考えている様子のリヴァイ。
「はぁ。あんまり、無理をするんじゃないぜ。何かあれば俺に聞け。それから、今日はもう休めよ。」
と、それだけ言って椅子から立ち上がり、部屋に戻って行こうとする。
『!ありがとう、リヴァイ!!頼りにしてるね。』
私はリヴァイが言ってくれたことが嬉しくて、にっこり笑って感謝を述べた。
「・・・あぁ。・・・!」
リヴァイは、私の言葉に振り返って返事をしてくれた後、私の顔を見て一瞬立ち止まると、すぐにまた前を向いて部屋に戻って行った。
『頑張らないと・・・!』
私はまた明日からの特訓のために、リヴァイの言うように部屋に戻って早めに休むことにした。