第1章 大好きな家族
母さんは、私が小さいときに亡くなった。
生まれつき身体が病弱だったと父さんに聞いた。
母さんがいなくて、寂しいと思うこともあった。
けど、いつも父さんが私を育てるのに頑張ってくれているのを知っていたから、だから寂しくても頑張れた。
私も父さんを支えたいと思った。
もっと役に立ちたいと思った。
父さんが昼間にお仕事に行っている間、私は家の掃除や洗濯をしてお留守番。
少しだけど、父さんに教えてもらって簡単な食事の用意だって出来る。
そんな生活を送りはじめて6年が経った。
私も、もう10歳だ。