第19章 力の制御
リヴァイは自分の執務室にユナを連れて来た。
部屋に入るとすぐにユナの頬に触れる。
「エルヴィンに何もされなかったか。」
『大丈夫だよ。エルヴィン団長、なんだか私を過大評価しているところがあるみたいだけど。』
「・・・まぁ、お前は前回の壁外調査で実力を示したからな。それだけに兵団としても期待しているんだろう。お前を戦力としたがるのも分かるが、俺としては面白くない。兵士は、常に危険と隣り合わせだからな。」
リヴァイは心配そうにユナを見つめる。
『リヴァイ・・・。私は兵士でいい。兵士なら、リヴァイと共に生きて行ける。あなたの傍にいて、あなたのために生きて行きたいから。後悔なんてしてないよ。』
ユナはリヴァイの手にそっと自分の手を重ねた。
『だから、もっと強くなりたい。リヴァイも守れるくらい。役に立ちたい。』
凛とした表情をして、ユナはリヴァイを見上げた。
「・・・もう十分、お前には守られてる。」
リヴァイはユナのおでこに自分の額をつけて目を閉じる。
「お前の存在を感じるだけで、俺の心は癒される。だから、傍にいてほしい。例えそれが兵士という形だとしても、俺がお前を守る。」
『・・・ずっと傍にいるよ。』
ユナは微笑んでリヴァイに答えた。
「あぁ・・・」
リヴァイはユナに優しくキスをした。
何度も角度を変えていき、徐々に深まる口づけにユナは少しずつ吐息が漏れる。
『んっ・・・、ふ・・・・・んぁ、』
リヴァイの舌の動きに翻弄されるユナは体から力が抜けていき、リヴァイの服にしがみつく。
リヴァイは唇を離して、息を切らすユナを愛おしそうにその胸板に抱きしめた。
「はぁ・・・まったく、お前といると触れずにはいられねぇな。」
『はぁ、・・・はぁ・・・リヴァイ・・・。』
ユナもリヴァイの体に腕をまわしてリヴァイの体温を感じる。
しばらくそうしていたが、
「そろそろ、仕事に戻らねぇとな。」
リヴァイが言って、抱きしめる腕に少し力を込めた。
『・・・・はい。』
「仕事」と聞いて、名残惜しそうにユナは返事をする。
(リヴァイは兵士長だものね、私が独占する訳にはいかない・・・)