第19章 力の制御
リヴァイ side
冗談で言った俺は、ユナの行動に固まる。
「・・・・・・。」
(俺を試してるのか・・・?)
俺はユナの咥えた果物を、唇ごと舌で舐め取った。
俺の目の前には、顔をこれでもかという程に赤くしたユナがいた。
「悪くねぇ・・・。いや、こうやって食うとうまいな。」
もう1つ果物を取り、俺は口に咥える。
そしてユナに向けて、身を乗り出す。
ちょうど、ユナの口の前に果物が位置する。
『・・・あ、あの、』
意味はわかっているな、と俺は目でユナに促す。
俺とユナの距離は目と鼻の先。
『・・・っ』パクっ
「どうだ。うまいだろ?」
俺はニヤリと笑って問う。
『・・・ドキドキして、わかんないよ・・・』
ユナは真っ赤な顔をしながら、口を押さえてモグモグと言っている。
それからユナは少しずつだが、好きな物を食べてくれた。
紅茶も俺がいれるのが嬉しいようで3杯程飲んだ。
実際、食べれない訳ではないことに安心しつつも、何か食欲がわかない原因があるのかと考える。
「ユナ、何か心配なことがあるのか?」
俺が聞くとユナはキョトンとした。
『何もないよ?』
「なら、今一番思っていることはなんだ。」
『・・・・・・。』
黙って俯くユナ。
「なんでもいい。俺に全部言え。」
『・・・・・・強く・・・ならなきゃ、足手まといになっちゃう。強くならなきゃ、守れない。リヴァイに悲しい思いをさせてしまうかもしれない自分が情けない。・・・でも、まだ体が治らないから私は何も出来ない。どうしようって、恐くて・・・』
ポロポロと涙をこぼして言うユナは、握りしめた拳が震えていた。
「焦らなくていい。少しずつでいい。俺がついてる。俺が強くしてやる。自信を持て。それでも不安なら・・・俺を信じろ。」
俺はユナの右手を取り、目を見て伝える。
『・・・う、うぁ、リヴァイ・・・私、恐くて、リヴァイがいるのに私が死んだら、とか。私が足手まといでリヴァイが死んだら私はどうなるの、とか思ったら恐くて・・・。自信がなくて・・・体もなかなか治らないし、でも、早く強くならなきゃって、もっともっと強くならなきゃって・・・』