第19章 力の制御
ユナ side
壁外調査で巨人に迫られて、もうダメかと思った。
リヴァイが助けてくれなかったら、私は命を落としていたかもしれない。
そうしたら、私はリヴァイに大きな悲しみと苦しみを与えただろう。
そんなことにならないように、私はもっと強くならなくちゃいけない・・・そう思えてならなかった。
あの時リヴァイの顔を見て、張り詰めていた緊張の糸が切れた気がした。
情けないことに、リヴァイに会えてほっとしてしまった。
リヴァイに言ったら「お前はよく頑張った。」って、私を甘やかすように誉める。
兵士として、戦場で緊張が解けて気を失うとか・・・あり得ないと私は思っている。
『・・・あぁ、失態だ。』
私は医務室からは出られたが、まだ左肩が回復しないので自室で安静にしてるか、痛みのない時はハンジさんの仕事のお手伝いを少しだけさせてもらっている。
今はハンジさんの溜めた書類をモブリットさんと(?)整理していた。
「・・・疲れたら休憩していいから。」
モブリットさんは気を使ってくれる。
『大丈夫です。これくらいは平気です。』
「でも、まだ時々めまいがするそうじゃないか。無理は禁物。復帰が遅れるのは、ユナも本意じゃないだろう?」
『はい・・・じゃあ、ちょっと休憩させていただきます。』
私はモブリットさんに断って、外に出た。
(少しだけ、頭が重い・・・)
外の空気を吸いに、中庭に出る。
長椅子に座って、目を閉じて深呼吸をする。
『・・・ふぅ、』
(まだ、調子が戻らないな)
あれから少しずつ体は回復してきているが、まだ痛む左肩。
左手の指先まで時々引きつるように痛みが走る。
「ユナ、ここにいたか。」
『リヴァイ!』
「今日は・・・顔色はマシな方だな。」
リヴァイは私の頬に優しく触れる。
「モブリットが心配していた。お前が少し無理をしていたようだとな。」
『・・・・・・。』
私は返事に困って、笑い返した。
「さて。」
リヴァイは私を横抱きにして抱き上げる。
『え?ちょっと、リヴァイ?』
「最近、食事を残す量が多いとハンジに聞いた。ちゃんと食わなきゃ治るものも治らん。俺が直接食わせてやる。」
『た、食べる!食べます!残しません!・・・だから、離して?』
私はリヴァイを見上げてお願いする。