第19章 力の制御
リヴァイ side
エルヴィンはハンジにユナについて報告を受けて様子を見に来たようだった。
「ハンジに君の体について少し話を聞いたよ。今は落ち着いているのかい?」
『はい、今はだいぶ・・・。団長やハンジさんにはご心配をおかけしてしまって、本当に申し訳ありません。ただでさえ怪我をしてしまったのに・・・。』
「いや、君の戦場での功績は大きかった。初陣にして、これだけの戦績を上げるなんてリヴァイに次ぐ実績だ。だから無理せず今は体を大事にして、これからも頑張ってほしい。」
「そうそう、ユナ。今は体を大事にして、元気になったらまた巨人について語ろうね!」
『・・・はい。お気づかいありがとうございます。』
ユナはベッドに体を起こして、2人に答える。
俺は複雑な気持ちで、それを見ていた。
「・・・リヴァイ、少しいいか?」
エルヴィンは俺に話がある、と退室していく。
俺はハンジにユナを任せてエルヴィンに続いて医務室を出た。
「なんの話だ。」
団長室でエルヴィンは椅子に腰をおろし、俺はソファにドカッと座った。
「・・・リヴァイ、ユナのことだが。先程も言ったが、今後の調査兵団には必要な人材だと考えている。体が回復したら彼女にお前自ら戦術を指導して、育てて行ってほしい。お前と彼女が今後の調査兵団の要となるだろう。」
「はぁ・・・。エルヴィン、それは命令か?」
「・・・そうだ、リヴァイ兵士長。これは命令だ。」
「とりあえず、了解した。・・・エルヴィン、俺はユナが兵士として生きることには反対なんだ。あいつが何よりも大事だ。だが、現状では兵士としてでなければ、共に生きることが出来ない。今はお前の言うとおりにしてやる。ただ、ユナが駒のように扱われることがあるなら、俺はお前に従えない。」
俺はエルヴィンを見据えて言った。
「ふっ・・・。ユナのことになると熱いな。感情的で人間らしいリヴァイを見るのは、楽しいよ。」
「・・・。」
「とりあえず、了解してくれたなら良い。頼んだぞ、リヴァイ。・・・それと、節度は守れよ。色々とな。」
「わかってる・・・。」
「言っておくが・・・、抵抗の手段に孕ませるのは無しだぞ。」
「・・・・ちっ。」
(お見通しか・・・)