第19章 力の制御
リヴァイ side
ユナは突然の強いめまいと激しい頭痛に苦しみ出した。
きっとこれが「副作用」だ。
医務官と共にハンジも駆けつけてくれた。
苦しみ悶えるユナに鎮静剤を打ち、しばらく様子をみることになった。
これからも、戦場で力を解放して闘うことがあるだろう。
その度にこれじゃあ・・・。
昔、寒い時期になると高熱で数日苦しむユナを看病していたとこを思い出す。
俺は、あの苦しみから助けたくてユナを地上の医者にみせることを条件にユナとの別れを選んだ。
なのに今、ユナは俺の前で苦しんでいる。
「・・・なんなんだ。」
どうしてユナばかり、と理不尽でしょうがねぇ。
今の俺が出来ることは、ユナの傍にいてやること。
それ以外には思いつかなかった。
数時間が経過して、ユナはぼんやりと目を開いた。
「ユナ。」
俺が覗きこむと、こちらを見てふわりと笑う。
『リヴァイ・・・。いてくれたんだね。ありがと・・・。』
弱々しく声を絞り出す。
「・・・気分はどうだ?」
『・・・今は、大丈夫。リヴァイ・・・ちゃんと休んだ?顔が、疲れてる・・・』
「俺は大丈夫だ。お前より頑丈だしな。疲れてるようにみえるのは、お前が弱ってるからだ。お前が元気になりゃ、俺も元気になるさ。」
『そっか・・・じゃあ、元気にならなきゃね。』
「あぁ、早く良くなれ。じゃないとお前を抱けないからな。」
俺がそう言うと、ユナは顔を赤らめて布団を被る。
『もう、リヴァイのえっち・・・っ』
「男はみんな、好きな女にはエロいんだよ。」
すると背後から
「そうか、そうかぁ!また一つリヴァイからレアな発言をいただいたね!「男はみんな好きな女にはエロい」と、ふむふむ。」
「ハンジ、からかうのはその辺にしておかないと、後で大変だぞ。まぁ、俺も男だからわからなくはないがな。」
ハンジのクソメガネと、爽やかな笑顔を貼り付けたエルヴィンがユナの見舞いに訪れた。
『エルヴィン団長!ハンジさん!・・・っ』
ユナは布団から慌てて赤い顔を出す。
「あぁ、ユナ。そのままでいいよ。」
「・・・お前らはそのまま帰っていいぞ。」
俺は2人を睨む。