第19章 力の制御
医務室でユナが目を覚まし、傍にいたリヴァイは安堵していた。
ユナはベッドに体を起こそうとすると、リヴァイはユナを支え起こす。
「左肩はしばらくは自由にはならない。安静にしてろ。他に痛む所はないか?」
『うん・・・、少しだけめまいが。』
「それは前に言っていた副作用のようなものか?・・・随分無理をしたようだからな。」
『そうかな?皆を助けられなかったし、危ない所をリヴァイに助けてもらった・・・ありがとう。』
「お前を助けるのは当たり前だ。むしろ遅くなった。・・・ハンジに聞いた、お前の戦績。初の壁外にも関わらず巨人を倒しまくったらしいじゃねぇか。」
『・・・少しでも、役に立ちたくて・・・ファーランみたいにみんな殺されたくなくて、だから私・・・』
俯くユナ。
「・・・そうか、頑張ったな。だが無理はするな。俺が心配なんだ。」
リヴァイはユナの頭を優しく撫で、髪に口づける。
『リヴァイ・・・うっ』
突如、ユナは激しいめまいに襲われ、ベッドにうずくまる。
『うぁっ・・・、』
「大丈夫かっ。」
『ご、ごめ・・・ん、』
(気持ち悪い・・・)
リヴァイはすぐに医務官を呼ぶよう、外の見張りに言い、ユナの傍で手を握る。
『はぁ・・・っ、はぁ・・・あ、頭が痛い・・・』
ユナは苦しそうに頭を押さえている。
やって来た医務官とハンジはリヴァイからの話を聞き、とりあえず鎮静剤をユナに投与した。
しばらくして、ユナは痛みから解放され眠りについたようだった。
「つまり、ユナは力をコントロールして闘っていたんだね。ただ、それにはリスクがあることもユナは自覚していたと・・・。まぁ、あれだけ戦場を駆ければ、体にかかる負担もそれ以上だろうね。」
「・・・あぁ。俺は聞いていたのに、何もしてやれなかった。」
「そんなことはないよ、リヴァイ!ユナはきみを信用しているからリスクのことも話したんだ。第一、戦場でユナを助けたのはリヴァイだけだよ。・・・まぁ、ユナの今後の課題だね。」
「俺は・・・闘ってほしくなんかないんだがな・・・。」
「リヴァイ・・・。」
呟くリヴァイの気持ちを思い、ハンジは心苦しかった。