第18章 初めての経験
リヴァイ side
今回は本当に奇行種の出現が多い。
予測不能な習性なため、どの隊も苦戦を強いられていた。
結局、捕獲作戦は断念して撤退命令が出された。
壁に向かう中、俺はユナの姿を探す。
ハンジ達の班は後方だが、あそこは今ベテラン勢が前線には出ていない。
攻撃の要になる兵が何人いるか・・・。
後方で複数の信煙弾が上がった時は、ちょうど前方にも多数の奇行種を含めた巨人と遭遇した。
後方のユナ達のところへ支援に行くつもりだったが、エルヴィンの元を離れる訳にはいかなかった。
その後、撤退が指示され壁に向かってユナを探していた俺は、巨人に迫られていたユナを見つけて、間一髪の所で助けることに成功した。
もし、万が一・・・ユナを失いでもしたら、俺は自分が恐ろしい。
俺を見たユナは気が抜けたのか、ほっとしたような顔をして膝から崩れていった。
駆け寄り、俺はユナの無事を確かめるように抱きしめた。
その後はユナを俺の馬に乗せて、ウォール・マリアの兵団支部まで急いだ。
左肩に傷があり、ひどく腫れていた。
この状態で闘っていたのかと思うと、ユナの心の強さがうかがえた。
ユナを救護班に任せて、俺はハンジを探す。
後に、ハンジやハンジの班の隊員達の話から、ユナは1人戦場を駆けて多くの仲間が食われるのを助けたという。
死者は数名。
重症者もいるが、負傷で済んだ者が多数だった。
またユナは初の壁外調査で巨人を11体駆逐、補佐数は6体という功績を残したと、ハンジは驚きを隠せずにいた。
「リヴァイ、ユナのフォローをするなんて言って、むしろユナに助けてもらったよ・・・そして彼女に手傷を負わせてしまった。情けないやら申し訳ない。」
「・・・ユナは、お前達の役に立てて良かったと思っているはずだ。そんな風に思わなくても大丈夫だ。・・・だが、もしユナに何かあれば、俺は黙ってない。」
「あぁ、わかっている。」
「・・・しかし、俺もユナがここまでの戦績を残すとは、正直思ってもみなかった。昔は初歩的な体術や剣術くらいなら教えたが、訓練兵団でどう鍛えたんだか・・・」
俺に会うため・・・か?