第18章 初めての経験

ユナ side

「うわぁ！・・・ひぃ、」

隣にいた兵士が悲鳴を上げる。

私達の背後に１体の巨人が、こちらを見下ろしていた。

(もう１体！？)

私は立体機動で飛び上がろうにも、体が動かない。

なぜなら、怯えた兵士が私の足に絡みついている。

『ちょっ・・・離して、』

「た、た、助け・・・て！」

巨人は私に手を伸ばす。

(ヤバい！)

その時、目の前で閃光が走った。

『・・・！』

「間に合ったな。探したぞ、ユナ。」

巨人の返り血を浴びたリヴァイが私の前に立っていた。

『リヴァイ・・・』

巨人は倒れていく。

「おい、お前！いつまでユナにしがみついてやがる。とっとと退かねぇか。」

「はっはひ！リヴァイ兵長！」

私は、リヴァイの顔を見た途端に自分の心臓の音が大きく聞こえていき、そのまま目の前が真っ暗になった。

(あぁ、リヴァイだ・・・良かった、生きてる・・・私も・・・)

そう思うと全身から力が抜けていく。

「ユナ！！」

急に倒れこむ私を、リヴァイは支えてくれた。

あとはよく覚えていないけど、ずっとリヴァイの心臓の音が聞こえていたような気がする。






「ユナ、ユナ。あんまり無理するなよな。じゃないとリヴァイも心配するぜ。お前には超がつく程、過保護で心配性なんだからさ。お前が笑っていてくれないと、リヴァイも俺も落ち着かないんだ。・・・・リヴァイのこと、頼んだぜ。」

(ファーラン、ファーラン！待って、行かないで！私、また３人で一緒にいたかった・・・ファーランとリヴァイと私で、本当に本当に楽しくて、幸せだったの！だから・・・っ)

「ありがとな。・・・大好きだよ、ユナ。」

(ファーラン！！)







気がつくと、白い天井が見えた。

(夢・・・？)

目に手をやると、私は泣いていた。

『・・・。』

鈍い痛みを感じると、左肩に包帯がまかれていた。

ふと、ベッドの足元を見ると、リヴァイが椅子に座って腕を組みながらうたた寝していた。

その姿を見て、私は本当に安心した。

頬や腕に多少の怪我はあるが、大きな怪我はないようだ。

私が視線を送っていると、目を開くリヴァイ。

「っ・・・ユナ！気がついたか！」

リヴァイもホッとしたような顔をした。