第18章 初めての経験
ユナ side
私は隣にいた兵士を突き飛ばすと、体に衝撃が走った。
ドオン!!
『うっ・・・!!』
私は巨人に薙ぎ払われ、近くの木に叩きつけられた。
(痛っ!・・・油断した!)
ズキズキと左肩が痛む。
左腕に力が入らない。
目の前では、私が突飛ばした兵士が、今にも巨人の口の中に放り込まれようとしていた。
『っ・・・・・・!だめ!!!!』
力がつま先から右腕とその指先にまで入る。
私は立体機動で飛び上がり、巨人の両腕とうなじを抉った。
片足を食われた兵士をつかみ、地面までふわりと飛ぶ。
「ぐぁぁぁ・・・・っ!はぁ、はぁっ」
『しっかりして!』
私は自分の外套を裂いて、その布で止血をする。
「救護班へ急げ!」
モブリットさんがやって来る。
「ありがとう、ユナ。助かったよ。」
『いえ・・・、すみません。もっと早く助けられれば・・・』
私は目の前で散って行く兵士、目の前で足を奪われた兵士を忘れられなかった。
(・・・きっと、リヴァイもこんな気持ちをしてきたんだ)
「ユナ、お前も左腕を怪我している。あまり無理をしないように。」
モブリットさんは私にそう言って、ハンジさんの所へ。
「まずはエルヴィンに報告だ。こちらの班は捕獲に失敗。装置も破壊され、残念ながら作戦は続行不可能。他の班も心配だし、今後の進路を仰がないとね。」
前方でも複数の信煙弾が上がっている。
(リヴァイ・・・)
私は胸元に手を当て、ペンダントに触れる。
その後、エルヴィン団長からの指示で、進路を北に取る。
途中、数回ほど巨人と遭遇した。
私は左肩の負傷をカバーするつもりで、力を全開にして動き回った。
『はぁ・・・っ、はぁ・・・、はぁっ・・・』
(あ・・・まずい・・・)
めまいを感じ、そろそろ体に限界が近づいてきていた。
すでに1人で10体は巨人を倒した私は、他の兵士が巨人に襲われてる所へ行き、闘っていた。
(誰も・・・殺されてたまるか)
その時の私には、他の兵士達の顔がなぜかファーランに見えていた。
(・・・っファーラン、助けるから・・・)
悔しかった。
ファーランが死んで何もできなかった自分が。
ザシュッザシュッ
片手でもブレードは扱える。
持ち前のスピードで、私は戦場を駆けた。