第18章 初めての経験
「そっか・・・そうだよね。ユナのバックアップはきっちりする。初めての壁外で不安だとは思うけど、どうか協力してほしい。」
ハンジはユナに頭を下げる。
『えっちょっと、ハンジさん、やめてください!私、この壁外調査の話があった時から納得しているんですよ?!だから、そんな、頭を上げてくださいよぉ!』
慌ててユナはハンジに駆け寄る。
「ありがとう・・・。訓練兵時代に君が書いた論文を見たんだけど、巨人についての、ね。巨人はどこから来たのか、巨人とはなんなのか、巨人の生態の解明が出来れば、人類の可能性を広げることが出来るだろうって。例えば、弱点はうなじの他にないのか?とか。そんな内容だったよね?それ見て、私と同じことを考えているんだなぁと思ってね。君に会ってみたかったんだ。」
『ハンジさん、私の論文なんて見たんですか?』
「まぁね、ちょっと機会があってね。だから、ユナが調査兵団に入るって聞いて、正直嬉しかったよ。しかも、訓練兵の中でも成績優秀だし。本当、頼りにしてる。まだ入ったばかりなのに、ごめんね。・・・あ、プレッシャーかけるようなことになっちゃった??」
『いいえ・・・。私も嬉しいです。私を必要としてくれて。まだ会ったばかりの私を信用してくださって、ありがたいと思っています。だから、その信頼に応えたいです。』
「うん、よろしくね。」
ハンジはユナの頭を撫でる。
『ふふっ・・・。』
ユナはにこにこと笑う。
「どうしたの?」
『だって、ハンジさんもリヴァイも、みんな私の頭を撫でるから・・・。』
「・・・あぁ~、それはきっとユナは小柄だし、小さいから、かわいくてつい頭撫でちゃうんだよ!」
ははっとハンジも笑う。
「けど、小さいのに強い。力がっていうのじゃなくて、まっすぐな強さ。あとは・・・深い?懐の深さ、みたいなものを感じるなぁ。あのリヴァイをメロメロにしてるくらいだしね!」
ハンジはユナを見てウィンクした。
『へ・・・?め、めろめろ?そ、そんなことないですよ!む、むしろ、私の方が・・・リヴァイに弱いといいますか・・・って、今の無しです!!』
「あはは、顔、真っ赤だよ。」
『もう!ハンジさん!』
2人はその後、巨人について語り合い、モブリットに怒られたのだった。