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大切な物をタイセツに【進撃の巨人】

第18章 初めての経験


ファーランを思い、ユナは涙を流した。

リヴァイはそんなユナの肩を抱き、自分の胸に引き寄せる。

ユナの髪を優しく撫で、ユナの心情を思うリヴァイ。

ユナは、ファーランが、大切な家族が死んだと聞かされた時から、その死を信じられなかったのだ。

それゆえ、壁外に来て大切な家族が命を落とした場所で想いたかった。

兄のように慕ったファーランのことを。

『うっ・・・・、ぅぅ・・・っファーラン・・・・っ』
(・・・地上に出たら、自由があると思った・・・けど、違った。これ以上、大切な人を失いたくない・・・絶対に)


しばらく、リヴァイはそのまま泣いているユナを抱きしめていた。

(俺は・・・・死なねぇ、こいつにこんな思いはさせねぇ)

そう心に誓うリヴァイだった。





「・・・落ち着いたか。」

『うん、ごめんね。・・・ありがとう、リヴァイ。一緒にいてくれて。』

泣いて腫れた目で、ユナはリヴァイに笑ってみせる。

「俺は、いつでもお前といる。生きてる限りな。」

いつものようにリヴァイはユナの頭をポンポンと撫でた。

ユナは、リヴァイの言葉に胸が締め付けられた。

『・・・っ!』

大切な家族であるファーランをなくし、今は大切な想い人であるリヴァイと共にいる。

リヴァイも、そして自分も戦士としていつ命を落としてしまうかわからないのが現状だ。

だが、生きている限り、リヴァイと共にありたいと強く思った。

一筋の涙がユナの頬を伝う。

『・・・リヴァイ、私、あなたを愛してる。』

ユナは、口から自然とそんな言葉が出た。


「ユナ・・・」

リヴァイは優しくユナの頬に触れ、そっと口づけをした。

優しく、優しく、大切なものを大事に扱うように。






その後2人は、それぞれ隊へと戻った。

ユナは、明日の巨人捕獲装置の点検をしていたハンジに声を掛けた。

『ハンジさん、明日のためにも、そろそろ休みましょう。』

「あぁ、ありがとう、ユナ。・・・あれ、もうこんな時間?ユナもまだ起きていたの?」

『・・・はい。初めての壁外なので、なんだか眠れなくて。』




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