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大切な物をタイセツに【進撃の巨人】

第18章 初めての経験


ユナ side

私に両手を合わせて懇願してくるハンジさんに、

『大丈夫ですよ、ハンジさん。きっと、リヴァイもわかってくれます。リヴァイは意外と、私のことを信用してくれてますし。』

そう言って、私は団長室を出た。



「・・・なんか・・・まるで正反対というか、リヴァイには勿体ないような子だね・・・」

「あぁ。だが、これからもリヴァイが人類最強の戦士でいるためには、良くも悪くも必要な存在なのだろうな。」

ボソッとハンジさんとエルヴィン団長が話していたことを、私は知らない。




私はリヴァイを探していた。

もう夜だし、部屋に戻っているのかと思えば、まだ帰ってない様子で、私は兵舎内を探し歩いた。

(いない・・・外かな?)

私は屋上に向かった。


そこにリヴァイはたたずんで、夜空を見上げていた。

空には星が輝いて、高い屋上からは星空が近く感じる。


私はリヴァイに近づいて、隣に立った。

『探したよ。』

「・・・・・・。」

『・・・作戦のこと、怒ってる?』

「・・・・・・。」

『私のこと、信じてなんて言わない。』

「・・・!」

『だって、リヴァイは私のこと信じてるでしょ?私が言わなくても、誰が言わなくても・・・リヴァイは、わかってくれてるでしょ?』

「ユナ・・・。」

『私はここに来たこと後悔してないし、したくない。自分のことには責任を持ちたい。堂々としてたい。だから、私がここにいる意味を見いだしたい。』

「・・・・俺と、同じだな。・・・確かに信じてないわけじゃない。ただ、一歩間違えてお前を失ったらと思うと、俺は恐ろしい。お前とこうしてまた一緒にいられる幸せを知ってしまったからな。お前のことには過剰になるらしい。」

『そうらしいね。』

私はクスッと笑ってリヴァイの方を見る。

『私の心臓はリヴァイに捧げる。悪いけど、人類には捧げない。リヴァイのために生きるから。』

私はリヴァイの瞳をまっすぐ見て言った。


リヴァイは私を抱きしめて、

「・・・敵わねぇ。人類最強だ・・・。」

と言って私の頭上で呆れたように笑っていた。

『・・・なんかそれ、エルヴィン団長も言ってたよ。』

「フッ・・・、そうか。」

リヴァイは何かが吹っ切れたのか、さっぱりとした表情をしているようにみえたのは・・・きっと私だけだろう。
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