• テキストサイズ

大切な物をタイセツに【進撃の巨人】

第18章 初めての経験


ユナ side

『なるほど・・・わかりました。』

私は苦笑いで答えた。


「ハンジ、お前の提案書を見た。今回は上層部から特例で許可がおりた。巨人の捕獲作戦を次の壁外調査でさっそく実践する。各班には作戦内容は伝えてあるが、お前の作った捕獲道具は訓練では使えない。本番専用の一発勝負用だとのこと。事前に説明が必要だ。」

エルヴィン団長はハンジさんにそう話す。

「・・・いやぁ~、念願叶ったよぉ!何度も諦めずに出してみるものだよね、提案書って!・・・・ふふふ、巨人を、初の捕獲作戦・・・なんかこう、興奮して込み上げてくるものがあるよねぇ~!」

(あ、半分暴走してる・・・)

そこへ

「・・・分隊長、あなたちゃんと皆さんに捕獲時の説明をしてくださいよ!」

モブリットさんが、話を元に戻してくれる。


ハンジさんは、作戦の内容を詳しく説明していった。

捕獲の道具についても、どのタイミングでとか、どの位置からなど、パターンをいくつか用意して色んな状況に対応できるようにした。

(すごいなぁ、いつもハイテンションなのに・・・さすがベテラン)

私はハンジさんの真面目な顔と、暴走モードとのギャップをしみじみと感じていた。


「で、その後なんだけど・・・」

ハンジさんがチラリと私を見る。

『・・・。』私は頷く。

「この場合、ここから囮が前に出る。そうしたら、こっちに誘導して・・・動きを封じて捕獲っと。」


「・・・しかしそうなると、この陣形ではどの班も対応できないのではないでしょうか。」

ナナバさんが言う。

他の人達も同じように考えているようだった。

ハンジさんは答える。

「このパターンの場合、囮はうちの班から出る。ここにいるユナにやってもらう。」

「ちょっと待った。こいつは新兵で、次の壁外調査が人生初だ。右も左もわからねぇ赤ん坊を、いきなり巨人の前に出して囮になれだと?最初から巨人の餌になれと言われているようなものじゃないか。」

リヴァイは間髪いれずにハンジさんにまくし立てる。


私は、団長室に来る前にハンジさんからこの作戦について聞いていた。

私に囮を頼みたいことも。

私は承諾したけど、リヴァイが反対するだろうとエルヴィン団長の所で一緒にリヴァイを説得してほしいと言われて来たのだ。




/ 170ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp