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大切な物をタイセツに【進撃の巨人】

第18章 初めての経験


ユナ side

調査兵団での訓練は訓練兵時代と酷似しており、一通り基本的なメニューがある。

それをこなせば、あとは自分の鍛練の時間にしたり、当番の仕事をしたり、雑用をしたりする。

私は体力向上のために筋トレに取り組んでいた。

『はぁ・・・っ、疲れた・・・!』

汗だくになって自分の体を追い込む私は、息を切らして仰向けに地面に寝転んだ。

(もっと強くならなくちゃ、誰かを守れるくらい)

私は・・・守ることが出来ず、私の腕の中でこの世を去った親友のことを思い出す。

『・・・リリィ、私リヴァイに会えたよ。調査兵団に入ったよ。頑張るから・・・。』

空を見上げて、唯一の大切な親友に語りかける。

壁外調査はあと数日だ。

初めての壁外・・・やっぱり不安は感じるし、まだ見ぬ巨人を怖いと思う。

でも私は、この壁外調査には個人的な目的があった。

(それに、絶対に生きて帰る)

そう、調査兵団でリヴァイと共に生きていくには、壁外調査で死ぬ訳にはいかない。

リヴァイが死んでも、自分が死んでもいけない。

命を落とした方も、残された方も、どちらも苦しくツラい。

お互いのことを想うなら、どちらも死んではいけないのだ。

相手を傷つけたくない、不幸にしたくない・・・そんな想いがある。


『・・・よし!再開しよっと。』

私は起き上がり、自分の鍛練に集中する。


そんな私を、リヴァイが見ていたことに気づく余地はなかった。



夕方、ハンジ分隊長に呼ばれて団長室へ。


コンコンコン、


「ハンジか、入れ。」

エルヴィン団長の声がした。

「失礼するよ~。あれ、皆おそろいで、なんの集会?」

ハンジさんとモブリットさんの後に続いて入室した私は、部屋の中にエルヴィン団長、ミケ分隊長、リヴァイ、ナナバさん、ゲルガーさんがいるのでビックリした。

(人口密度が・・・)

『・・・あのモブリットさん、私は席を外しますね。』

新兵がこんなそうそうたる顔ぶれの中にまざるのは場違いだと思い、コソッと副隊長のモブリットさんに伝えて退室しようとした。

「あぁ、大丈夫だよユナ。一緒にいて?ね。」

私の声が聞こえたハンジさんは、振り向き、私に言う。

『でも・・・、』

「いいから、君がいないと納得しない人物もいるからさ。」

ハンジさんはリヴァイを見る。
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