第16章 探し物
『ありがとうございます、モブリットさん。わざわざ呼びに来ていただいて・・・その、助かりました。』
「いや、リヴァイ兵長から、この時間になっても君がハンジさんの部屋から戻ってないと言われてね。申し訳なかったね。」
『いえ。ハンジ分隊長のお話は、とても楽しくて興味深いですし、ハンジ班で良かったです。・・・でも、さすがにお腹が空きました。』
ユナは助けに?来てくれたモブリットにお礼を述べると、お腹に手を当てて笑う。
「・・・。こっちこそ、良かったよ。君みたいな子が入ってくれて助かる。」
『そうですか?』
(どういう意味だろう?)
もう消灯時間は過ぎているとのことだが、ハンジの所用を言いつかっていたとして、ユナのことはモブリットから見回りの者に伝わっているそうだった。
モブリットは、隊の説明をまとめた書面をユナに渡して、あとは明日からの訓練の場所を伝えると戻って行った。
『・・・ふぅ、今日1日でいろんな事がありすぎたような気がする。』
中庭を歩きながら独り言を呟くと、
「そうだな。」
と、リヴァイの声がした。
後ろを振り返ると、リヴァイが立っていた。
『リヴァイ!・・・あ、リヴァイがモブリットさんに言ってくれたんだって?』
「あのクソメガネときたら、いつまでもユナを放さねぇ・・・。」
少し拗ねたようにぶつぶつ言うリヴァイにユナは近づいて、
『私はリヴァイのものだよ。』
と言って、微笑む。
「・・・・・・。」
『?・・・ねぇ、リヴァイ。私、お腹が空いたん・・・』
グイッ
リヴァイはユナを引き寄せて、口づけた。
『っん、・・・リヴァイ、んぅ・・・』
「はぁ、・・・俺も腹がすいた。お前を喰いたい。」
『え、リヴァイ?きょ、巨人じゃないんだから・・・』
後退りをするユナを、理性が崩壊したリヴァイが追いつめていく。
(失ったと思っていた好きな女に会えて、キス止まりでやめておいたが、俺を煽るようなことを言いやがる・・・もう抑えてやれねぇ)
すると、
ぐぅぅぅぅ・・・
と、ユナのお腹から音がなる。
『っ・・・!!!』
「・・・・・・・・。くくっ・・・」
ユナは恥ずかしそうに顔を真っ赤にし、リヴァイは肩を震わせて笑いを堪えていた。