第16章 探し物
「えぇ?!!」
ハンジはユナの存在に気づき、パアッと嬉しさ全開の笑顔でユナに抱きついた。
「君がユナちゃん?!・・・あぁ~!良かったぁ~!!会いたかったよぉ~!!」
『あ、あの、』
ユナはハンジに体を揺すられる。
「おい、落ち着けハンジ。困惑させてんじゃねぇ。」
リヴァイがハンジを止める。
「・・・あ、ごめん、ごめ~ん!つい、嬉しくってねぇ。」
ハンジはユナから距離を取ると、
「改めて・・・ハンジ・ゾエだ。君の配属の隊の分隊長をしている。よろしくね、ユナ。」
と、真面目な表情になり自己紹介をした。
『ユナ・スノーベルです。よろしくお願いします。』
ユナも、それに倣う。
そこで、ユナは入団式に欠席した理由を述べ、謝った。
ハンジは「いや、最終的に私は君と語り合えたらなんでもいいよ!」とユナの手をガシッと取り、メガネをギラギラさせて迫っている。
ハンジの後ろにはモブリットが控えており、頭を抱えている。
「じゃあ、隊の説明はまだだよね?私の部屋で少し話そう!モブリット、細かいことは後でユナに教えておいてよ。」
「・・・はい、はい、了解しました。」
『・・・あの、お手柔らかにお願いします。』
ユナはハンジの勢いに圧倒される。
そこで、これまで黙っていたリヴァイが突然。
「おい、クソメガネ。こいつにあんまりおかしな話をしてくれるなよ?」
とユナからハンジを引き剥がす。
誰もが「え?」という顔になる。
(え・・・?リヴァイ?)
ユナはリヴァイの顔を見る。
ハンジはリヴァイをからかうように、
「リヴァイ?珍しいね、リヴァイが他人にそんなこと言うなんて・・・。ははぁ~ん、ユナに惚れちゃった~?」
とニヤニヤして言う。
「俺とこいつは他人じゃねぇ。俺のおん・・・」
『家族!家族です!あの、私達、幼い頃に一緒に育った時期がありまして、事情があって離ればなれになってたんですけど、今日再会したんです!リヴァイは兄みたいな存在で』
「おい、俺はお前の兄貴じゃねぇ。」
『わかってるけど、こんなとこで言わなくても・・・』
リヴァイの突然の暴露に慌てるユナ。