第16章 探し物
「もう今頃は式が終わって、所属の隊が発表されて、隊ごとに集まり説明を受けて、今日は解散って所だろう。」
リヴァイは窓の外に目を向ける。
『・・・私、どこの隊かな。というか、入団式を欠席しちゃうなんて・・・どうしよう。全然そんなつもりなかったのになぁ・・・。』
と、不安になっているユナ。
リヴァイは「行くぞ。」とユナの腕を引いて部屋を出る。
着いた先は、団長室前の廊下。
「ここが団長室だ。俺がうまく言ってやる。」
『え、うまくって・・・』
リヴァイは扉の前まで歩を進める。
「エルヴィン、俺だ。」
「・・・リヴァイか。入れ。」
ガチャ
リヴァイが先に入り、あとにユナも続く。
「ん?」
エルヴィンは、ユナに気づくとリヴァイに視線を送る。
「こいつは新兵のユナ・スノーベルだ。今日の入団式を寝ぼうしてサボりやがった。初日から遅刻とは、随分いい度胸してやがるから、ちょうど見つけた俺が説教を喰らわしたところだ。・・・確かハンジも探していた。」
と、リヴァイはユナの寝ぼうをはっきりと指摘した。
(え~!?リヴァイ、全然うまく言ってくれてない!むしろ、団長に事のすべてを報告してるし!)
ユナは、そう心の中で叫んでいた。
『・・・申し訳ありません!』
ユナはエルヴィンに頭を下げる。
「・・・まぁ、初日から遅刻とは感心しないな。あってはならないことだ。スノーベル、君には期待している。訓練兵団での君の評価は高いからな。今後、気を引き締めるように。」
エルヴィンはユナを見据えて言う。
『はいっ。』
ユナが返事をすると、廊下から声が聞こえてくる。
ガチャ
「エルヴィ~ン!私の所に配属のはずの新兵がいないんだよぉ~!ユナちゃんがぁ~!どういうことなんだ~!!」
と、ハンジが騒がしく部屋に入って来る。
(あ・・・私のことだ)
「あれ?リヴァイ。ここにいたの?ユナちゃん見つかった?探したけどいないんだよぉ~!」
「・・・はぁ、こいつの隊だったか。」
リヴァイはため息を吐いた。
すると、エルヴィンが
「ハンジ、そのスノーベルならここにいるが・・・」
と興奮してるハンジに言う。