第16章 探し物
「ただ、憲兵からお前が死んだと聞かされなきゃ、また違ったはずだ。」
『違うって?』
「お前がどこかで生きていると知っていたなら、開拓地に送られたと知っていたら、俺はお前を探しに行っただろうな。・・・きっと、何をしてでもな。」
リヴァイはユナの髪を掬く。
優しく、慈しむように。
『・・・・・・。』
ユナは、自分のことを想ってくれるリヴァイの言葉に胸の奥がキュンとなった。
「・・・さて、お互いの思い出話はひとまずこれくらいにして、」
と言って、リヴァイは私の隣から立ち上がり、私を見下ろす。
「入団式をサボった新兵のおしおきをしなくちゃな。」
『・・・え?・・・あぁ!そうだ、式!』
リヴァイはいたずらっぽくユナを見て、口角を上げる。
ユナはリヴァイとの再会で、入団式のことをすっかり忘れていた。
『ど、どうしよう、リヴァイ!私・・・』
慌て出すユナ。
リヴァイは正面からユナの両肩をがっしりとつかみ、顔をユナの首筋に埋める。
『ひゃ・・・んっ』
チクッと軽い痛みを感じたユナ。
「とりあえず、今はこれで我慢してやる。」
『・・・?何?』
「印をつけた。俺の物だって証だ。」
ユナの首筋に指を沿わせて、リヴァイは不敵に笑う。
『え、印?』
(キスマーク??)
ユナはバッと首筋に手を当て、近くにあった鏡を見に行く。
すると、自分の首筋に赤い痕がくっきりとついていた。
『・・・もぉ、リヴァイ!誰かに見られたら恥ずかしいのにぃ・・・。』
ユナは顔を赤くした。
「俺は恥ずかしいとは思わねぇ。むしろ堂々と俺の物だと示せるだろ。まぁ・・・ただのムシよけだ。」
最後の言葉はボソッと呟くリヴァイ。
「それより、お前はその首飾りを探してて式を欠席した訳だな?」
『う・・・。そ、それが・・・今日、早く起き過ぎちゃって、朝ご飯のあと、中庭で少~し横になったら眠ってしまってたみたいでさ。もう皆いなくて、でもペンダントがなくて・・・で、探してました。』
あはは、と言いづらそうに笑うユナ。
「はぁ・・・・、何やってんだ・・・。」
リヴァイはユナの頭をポンポン、と優しく撫でる。