第16章 探し物
リヴァイは、ようやくユナから唇を離した。
一方、与えられる口づけに夢中で応えていたユナは、唇がはなされると、肩で息をして、潤んだ瞳はとろんとリヴァイだけをうつしていた。
『・・・はぁ、・・・はぁ、・・・』
「っ、そんな顔・・・俺以外の前でしたら、その時はおしおきだな。」
リヴァイは、ユナの顔を自分の胸に押し付けた。
『わっ』
ポスン、とリヴァイの胸元におさまるユナ。
『・・・リヴァイ・・・』
ユナは、そのままリヴァイの胸板に甘えるように顔を擦りよせ、リヴァイの背中に腕を回す。
「・・・・・っ!はぁ~、」
リヴァイは、暴発しそうな本能を抑えて、崩れかけた理性をやっと保っている。
(・・・ダメだ、ユナといると調子が狂い過ぎる)
『・・・リヴァイ。私、ずっと、ずっと会いたかった。地上で生活してから、色んな事があって・・・ありすぎて、もうだめかもって何度も絶望しそうになった。でも、その度にリヴァイを想った。リヴァイの元に帰りたいって。』
ユナは顔を上げて、リヴァイを見据える。
その瞳から、また涙がこぼれる。
「ユナ・・・」
リヴァイはユナの涙をそっと拭う。
『私、調査兵団にリヴァイがいるって知って、リヴァイに会いたくて訓練兵になったの。・・・王都の憲兵から開拓地に送られて、そこにいたの。また、もう一度だけでいいから、リヴァイに一目会えたら、それだけでいいと思って・・・』
「一度だけか?・・・一目だけでいいのか?」
リヴァイもユナの瞳を優しく見据える。
『・・・よく、ない。』
「・・・もう、手ばなしてやれねぇ・・・」
リヴァイは、再びユナを腕の中に閉じこめた。
調査兵団は危険な所だ。
だが、もうユナが自分の手の届かない所に行くことは、リヴァイには耐えがたいことだった。
せめて、自分の傍に・・・そう思っていた。
「ユナ、お前は俺が守る。だから俺の傍にいろ。」
『・・・うん。私の心臓は、リヴァイに捧げるから。』
「!・・・じゃあ、俺の心臓はお前に捧げてる。ずっと前からな。・・・俺の心は、お前のものだからな。」
『あ・・・、それ、前に言われた。』
「そうだな。」
リヴァイは微笑んだ。