第16章 探し物
ユナ side
リヴァイはフワッと私を抱き上げると、そのままどこかへ歩き出す。
『・・・へ?ちょっと、リヴァイどこに行くの?』
私はリヴァイを見上げる。
間近にあるリヴァイの顔・・・斜め下からの角度に、私は急に恥ずかしくなる。
(リヴァイ・・・こんなにかっこよかったっけ?!)
まともに顔が見られなくなってしまった。
押し黙る私。
ふと、視線を感じるとリヴァイが私を見ている。
『え・・・、な、何??』
「いや・・・。お前のキスが相変わらず下手なままだったから、少しだけ安心した。」
と、口角を上げて言うリヴァイ。
『へ、下手って・・・っ!』
私は顔が熱くなる。
「!!・・・静かに。」
何かを警戒したリヴァイは、物陰に隠れる。
すると誰かの声が聞こえた。
「あれ~?リヴァイ、どこ行ったのかなぁ~。ユナちゃん見つかったのかなぁ。・・・見つけて説教してたりして・・・な、わけないか!」
メガネをかけた、背のスラリとした人が歩いて行った。
どうやら、リヴァイと私を探しているようだ。
『・・・リヴァイ、行かなくていいの?探してるよ?・・・私のことも、』
「いいから、お前は・・・俺に説教を喰らうんだ。入団式を堂々とサボりやがったんだからな。」
リヴァイは、口元だけニヤリと恐ろしい笑みを私に向けた。
『えっ・・・いや、それは理由があって・・・!』
「それにはまず、場所を変えるぞ。」
リヴァイは私を抱いたまま、人目につかないようにどこかに向かって歩いて行く。
ガチャ・・・・ガチャン
とある一室に入り、ソファにおろされた。
すぐさまリヴァイは、私を抱きしめる。
「はぁ・・・っ、ユナ・・・・。」
私もリヴァイの背中に手をまわして抱きしめ返す。
リヴァイが目の前にいることを確認するように。
リヴァイの腕に力が入る。
『っ!リヴァイ・・・痛いよ・・・。』
「・・・悪い、」
腕を緩めて向かい合うと、どちらともなく唇を寄せ合う。
『ん・・・っ、ふ・・・ぁ・・・』
リヴァイは、私の後頭部に手を回して深い口づけをしてくる。
「はぁ・・・っ、ユナっ・・・」
リヴァイが私の名前を呼ぶ度に、また涙が溢れる。
私はリヴァイの服を握りしめて、彼から降る口づけを必死に受け止めた。