第16章 探し物
ユナ side
ガサガサと兵舎の中庭で、無くしたペンダントを探す。
『・・・ない、・・・ない、ない・・・っどうしよう!』
(絶対にみつけないと・・・)
私は半泣き状態で両手と両膝をついて、さっきまで寝ていた場所や、付近の茂みや木の回りをぐるぐると探し回る。
キラッ
兵舎と中庭の堺の草むらに光るものを見つけた。
『!』
手を伸ばすと、それは私が探していたペンダントだった。
『・・・あったぁ!・・・良かったぁ・・・・。』
私はホッとして、堪えていた涙が目からポロポロとこぼれ落ちる。
(よかった・・・)
すると、私の背後に人の影がかかる。
(?・・・誰だろ、)
私は振り向くと、そこには、会いたくて会いたくてたまらなかった大好きな人が、驚いた顔をして私を見おろしていた。
「・・・ユナ、か?」
『・・・・っ!』
(リヴァイだ・・・)
視界がぼやけていき、よく見えない。
私は何度も涙を拭う。
でも、涙は溢れるばかりでとまらない。
『・・・う、ぅっ・・・リ、リヴァイ・・・っ』
ようやく私がリヴァイの名前を声にすると、
「・・・ユナ!」
リヴァイは私を抱きしめる。
強く、強く、痛いくらいに力強く。
まるで、私が本当にここにいるか確かめるみたいに。
『リヴァイ、・・・リヴァイっ・・リヴァイ・・・っ』
私はリヴァイの腕の中で泣きじゃくる。
胸が苦しい。
こんなにも、会いたかった・・・・。
「・・ユナ・・・」
リヴァイは私の体を少し離して、顔をのぞきこんでくる。
私の涙を指で拭って、まぶたに唇をあてる。
そして、今度は優しく唇に口づけをくれた。
ついばむように、何度も何度も角度を変えては、次第に深くなる口づけに私は息が上がっていく。
『・・・っ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・』
リヴァイは唇を離し、また私を抱きしめる。
私はリヴァイのキスに脱力して、体を預ける形になる。
「ユナ・・・聞きたいことや言いたいことは山ほどあるが・・・お前が生きていてくれて良かった・・・っ」
リヴァイは私の肩に顔を埋めて、小さく震えていた。
(リヴァイ・・・)
『私も・・・、またリヴァイに会えて良かった・・・!』
私は両手を伸ばして、リヴァイの体にギュッと抱きついた。