第1章 秘めたる想い
理性を保ちながら 、増田を起こす 。
「 増田 、起きて ?」
起きる気配は … ない 。
「 ねぇ 、早く起きないと襲うけど 。」
本当は今すぐにでも 、そう思っている 。
ただ俺たちは 、兄妹 。
早まる気持ちと 、隠せない欲望と 、止められない鼓動を何とか抑える 。
俺は 、それを隠すかのように増田の額にデコピンをした 。
案の定 、増田は目覚めた 。
「 いったぁ 、」
増田の目は俺を睨んでいる 。
「 何もデコピンして起こすことないのに 。」
「 はいはい 、起きない増田が悪いの 。」
今は 、このままで良いんだ 。
多くは望まない 、兄という形でも増田のそばに居られるのならば 。