第1章 秘めたる想い
増田が俺のことを好きだったら 、何度そう願ったことだろう 。
でも 、増田は俺のことを男としても見ていないだろう 。
増田から見た俺は 、優しいお兄ちゃんで 。
この関係が崩れてしまうのが怖くて 、増田に嫌われてしまいそうで 、想いを胸に秘め続けている 。
「 貴久 、夜ご飯だから増田のこと呼んできて 。」
母親にそう言われて 、増田の部屋に行く 。
扉を叩きながら 、増田の名前を呼ぶ 。
「 増田 、夜ご飯だって 。」
いくら呼んでも応答がない 。
「 増田 、入るよ ? 」
扉を開けると 、そこには …
「 おいおい 、マジかよ 。」
白くて細い脚 、服から覗く谷間 。
増田からは 、規則正しい寝息が聞こえてくる 。
「 無防備すぎるって 。」