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ハリー・ポッターと龍宮の姫巫女

第8章 姫巫女と最初の一週間


 ハリーとロンは学校生活に手こずっているようだが、シオンはそれなりに充実した生活を送っていた。
 魔法は杖を振るって呪文を唱えればいいわけではないようだ。

 水曜日の真夜中に『天文学』の授業で、望遠鏡で夜空を観察したのは楽しかった。
 シオンは占いに強い関心を持っており、星占いも得意だ。
 星の名前や惑星の動きは、シオンにとっては身近なもので、教科書を読み込んでいたこともあり、教師の話が楽しかった。

 ずんぐりとした小柄なスプラウトという教師の『薬草学』も興味深い。
 普段から神社のある山で薬草を摘んで薬を作っていたからか、不思議な植物やきのこの育て方は新しい発見がたくさんあったのだ。

 しかし、唯一ゴーストが教える授業である、『魔法史』の授業はあまり得意ではなかった。
 一本調子で授業を進める教師のピンズだったが、正直に言えば退屈で仕方がなかった。

 フリットウィックという教師が担当するのは『妖精の呪文』という授業だ。
 彼は小学生と変わらない背丈で、積み上げた本の上に立って、ようやく机越しに顔が出るほどだ。
 出席を取る際にハリーの名前まで来ると、興奮して転げ落ちてしまった。


 ミネルバ・マクゴナガルの授業は、やはり他の教師の授業とは違っていた。

「『変身術』は、ホグワーツで学ぶ魔法の中で、最も複雑で危険なものの一つです。いい加減な態度でわたくしの授業を受ける生徒は出て行ってもらいますし、二度とクラスには入れません。初めから警告しておきます」

 厳格な雰囲気で始まった授業に、生徒たちが固唾を呑む。
 彼女は机を豚に変え、また戻して見せた。
 それを見て感激する生徒だったが、家具を動物に変えるのがどれだけ難しいのか、すぐに知ることになる。

 複雑なノートを取った後、マクゴナガルは生徒たちにマッチ棒を配り、それを針に変える練習が始まった。
 しかし、授業が終わるまでにマッチ棒を変化させることができたのは、シャーロット・ルシアーノとハーマイオニー・グレンジャーの二人だけだった。
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