第7章 姫巫女とグリフィンドール寮
「初めまして。シャーロット・ルシアーノと言います。家は代々純血の家系ではありますが、血筋なんて関係なく、仲良くしてくださいね」
ふわりと花が咲き誇る笑みには屈託がない。
純血の家系でありながら、ウィーズリー家と同じく、血筋にこだわらない家柄らしい。
同じ純血の家系だと語っていたマルフォイとは正反対だ。
続いて、ふわふわとした金色のボブカットの人形のような美少女が、ぼんやりとした瞳で短く話す。
「シェリル・ヒルトージュ……母がハーフで、父はクォーター。……眠い……」
少女は眠たい水色の瞳を擦りながら小さく欠伸をした。
次はシオンの番だ。
「わたしは……」
「シオンさま――――ッ!」
けれど、それを遮り、シオンの次に自己紹介するはずだった美少女が抱きついてくる。
「え? えっと……あれ?」
「シオン・リュウグウさま! あたくし、一目見たときから、あなたにずっと会いたかったんですの!」
眠いのと疲れているのと早く寝たいのとで、頭が混乱してしまう。
「ちょっと、あなた! 名乗る前に抱きつくなんて、無礼もいいところよ!」
マリアに言われたからか、少女が頬を膨らませて離れた。
改めて見た少女は、シオンと同じ日本人の容姿を持っていた。
黒いウェーブの髪に、黒い瞳、同年代とは思えないプロポーションに、シオンはドギマギする。