第7章 姫巫女とグリフィンドール寮
パーシーの指示で、男子と女子はそれぞれ男子寮と女子寮へ別れることとなった。
「じゃあ、シオン。また明日」
「おやすみ、シオン」
「うん。ハリーとロンもおやすみ。また明日ね」
手を振り、シオンは女子寮の監督生について女子寮へと向かった。
深紅と金色が基調の部屋は高級感があり、天蓋つきベッドなど初めて見た。
寮は五人一部屋で与えられている。
シオンたちは眠る前に、五人で部屋の真ん中に集まった。
正直に言えば、もう布団を被って寝てしまいたい。
疲れて眠いから、という理由は確かに存在する。
だが、それ以上に居た堪れないのだ。
ルームメイトたちが美少女すぎて。
「自己紹介しておきましょう。これから卒業まで、ずっと同室なのだし」
そう取り仕切ったのは、薄い茶色の髪に同じ茶色の瞳を持つ、勝気な美少女だ。
ストレートの長い髪は、腰までサラサラと伸びている。
「私はマリア・クレイミー。父は純血の魔法使いだけど、母はマグル生まれの魔法使いなの。時計回りでいいわ。次はあなた。名前を教えてちょうだい」
テキパキと取り仕切り、マリアは左側にいた美少女に声を掛けた。
薄い赤毛で桃色にも見える髪は、ちょうど肩の下辺りまでの長さ。
少女は鮮やかな緑色の瞳を細めて、朗らかな笑みを浮かべる。