第6章 姫巫女と入学式
生徒たちの腹が膨れたところで料理が消え去り、続いてデザートが現れる。
先ほどの料理でシオンも満腹であったが、このデザートはいくらでも入りそうな気がした。
色とりどりのアイスクリームに、アップルパイに、エクレアなど。
神社から出たことのないシオンは、話の中でしかそれらを知らなかった。
甘いデザートを楽しんでいると、どう進んだのか覚えていないが、グリフィンドール寮生は家族の話題で盛り上がっていた。
「僕はハーフなんだ」
そう言ったのは、シェーマスだ。
父親がマグルで、母親が魔女なのだと言う。
シェーマスの父親は、結婚するときになって初めて知ったらしい。
「ネビルはどうだい?」
尋ねたのはロンだ。
「僕、ばあちゃんに育てられたんだけど、そのばあちゃんが魔女なんだ」
ただ、家族は息子に魔法の素養がないと思っていたようだが、アルジー大おじさんという人だけは、ネビルに魔法の才能があると思っていたらしく、色々と危険な目に遭わせて力を引き出そうとしたらしい。
魔法に目覚めたのは、八歳のときなのだそうだ。
そのアルジー大おじさんのお陰というか、努力が実ったというべきなのか。
ネビルの家族は手を叩いて喜び、祖母は喜びで涙を流していたそうだ。
ちなみに、ネビルにヒキガエルのトレバーを与えたのは、そのアルジー大おじさんなのだとか。
盛り上がる生徒たちの話を聞きながら、シオンは教師たちの座る席へと視線を向ける。
マクゴナガルはダンブルドアと話をしており、ハグリッドは端の席で一人酒を楽しんでいた。
その中で、シオンが気になっているのは、先ほどの紫色のターバンの男性教師だ。
彼は隣の席に座る、黒髪に黒服を着た、顔色の悪い男性教師と話ながら委縮している。