第6章 姫巫女と入学式
入口の向こうからはざわめきが聞こえ、学校中の生徒が集まっていることを窺わせる。
しかし、マグゴナガルはすぐに大広間へ通すことなく、すぐ脇の小さな空き部屋に新入生を待機させた。
「ホグワーツ入学おめでとう。新入生の歓迎会が間もなく始まりますが、大広間の席につく前に、皆さんが入る寮を決めなくてはなりません」
寮の組分けはとても大事な儀式だとマグゴナガルが説明する。
教室でも寮生と一緒に勉強し、寝るのも寮で、自由時間は寮の談話室で過ごすことになるのだそうだ。
寮は四つあり、グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、スリザリンのいずれかの寮に振り分けられる。
ホグワーツにいる間は、寮生の良い行いは、自分の属する寮の得点になり、規則に違反すれば寮の減点になるようだ。
学年末には、最高得点の寮に大変名誉ある寮杯(りょうはい)が与えられるのだと言う。
「どの寮に入るにしても、皆さん一人一人が寮にとって誇りとなるよう望みます。間もなく全校列席の前で組分けの儀式が始まります。待っている間、できるだけ身なりを整えておきなさい」
マグゴナガルが、ネビルのマントの結び目が左耳の下にズレているのに目をやり、ロンの鼻の頭が汚れているのに目を止めた。
ロンの鼻の頭は、先ほど転んだときのものだろう。
シオンは慌てて、ロンにハンカチを差し出して拭うように教えた。
「学校側の準備ができたら戻ってきますから、静かに待っていなさい」
そう言い残して、マクゴナガルが部屋を出て行く。
その後ろ姿を見送っていると、ハリーが小さな声で尋ねてきた。