第21章 姫巫女と一年の終わり
「まず最初は、ロナルド・ウィーズリー」
名前を呼ばれ、ロンが一気に顔を真っ赤にさせた。
「この何年間か、ホグワーツで見ることができなかったような、最高のチェス・ゲームを見せてくれたことを称え、グリフィンドールに五〇点を与える」
割れるような拍手と歓声がグリフィンドールから湧き上がった。
その喜びはひとしおで、大広間の空気を呑み込む。
歓声が落ち着いた頃合いを見図り、ダンブルドアが続けた。
「次に、ハーマイオニー・グレンジャー。火に囲まれながら冷静な論理を用いて対処したことを称え、グリフィンドールに五〇点を与える」
頬に手を当て、ハーマイオニーも顔を真っ赤にしている。目には薄っすらと喜びの涙を浮かべていた。
一度に一〇〇点も加算されたことに、グリフィンドール寮生のテーブルのあちらこちらから喜びの声が上がっている。
「まだ終わっとらんぞ。ほれ、静かにせい!」
ダンブルドアがパンパンッと手を叩き、一同を黙らせる。
「コホンッ。では、続いて……シオン・リュウグウ」
「え⁉ わ、わたしも……?」
名前を呼ばれて驚くシオンに、隣に座っていたヒマワリがニコリと肩に触れて微笑んでくれた。
周囲を見ると、マリアやシャーロット、シェリルも同じように優しい表情でシオンを見ている。
グリフィンドールの寮生――いや、全寮の生徒の視線が集まり、シオンは緊張から身を固くした。
ダンブルドアの方を見ると、優しげに目を細めて微笑む。